サービスマンとして、誰かの人生の一部になる

辻堂駅を出て海側に向かって徒歩3分、カフェとバー、レストランが融合したお店があるのをご存知ですか？
コンクリートの床や鉄骨むき出しの天井などインダストリアルな雰囲気に、ドライフラワーの装飾や温かみのあるランプの色のギャップが、奥渋谷あたりにありそうなスタイリッシュな佇まいと居心地の良さを醸し出す店内。
カウンター席の奥には、壁一面にずらりと並べられたアルコールのボトルにエスプレッソマシン、その奥にはオープンキッチン。幼いころから料理上手のお母さまが作るベトナム料理が大好きだったというオーナーのトランさんが作る、ルーツを感じるエスニックイタリアンはお客さんたちの間で大評判です。
ふらっとコーヒーを飲みに立ち寄ったり、ゆったりお酒を飲んだり、しっかり食事をしたり。お客さん一人一人が思い思いの過ごし方ができるこのお店の名前は、「Ants. Meals&Coffee Bar」。今回はこのお店で「サービスマン」を募集するとのことで、お話を伺ってきました。


“蟻“のようなお店でありたい

「Ants. Meals&Coffee Bar」がオープンしたのは2018年の12月。オーナーのトランさんが28歳の時のこと。ですが、彼が自分のお店を持ちたいと思ったのは遥か昔、小学生の頃だったそう。

「ドラマで見たコーヒー屋のマスターがとても印象的だったんです。お客さまの日常の一部として親身になって寄り添っていく仕事の仕方がすごくかっこいいなと思ったのが、将来お店をやりたいと思った一番のきっかけです」

それ以来バリスタに目標を定め、学生時代のアルバイトやカフェの専門学校での学びを経て、飲食店に就職、バリスタのみならず、バーテンダー、料理の経験も積んできました。

日本では「バリスタ」は一般にコーヒーの専門職というイメージが強いですが、そのルーツであるイタリアには、カフェとバーとレストランが融合したような「Bar(バール)」という場があり、そこで働く人々を「Barman」や「Bar(バール)＋ista(サービスを提供する人)」つまりバリスタと呼ぶようになったのだとか。
トランさんが考えるバリスタとは、単なるコーヒーの専門家にはとどまらず、コーヒー、お酒や料理といった提供するものを通して、お客さんの人生を豊かにする「サービスマン」なのです。
店名の「Ants（蟻）」という言葉にも、「人に想いを伝える運び手」「（地球に蟻が必要なように）お客さまにとって必要不可欠な存在でいる」「+aのA。ほんの少しでもお客様に幸せになってもらう」といった、お店でのサービスを大切にするトランさんらしいコンセプトが隠されています。

支え、支えられながら働く

トランさんとお会いして受けた印象は、若くしてお店を開業しているにもかかわらず謙虚。計画的に努力を重ねる方。その言葉ひとつひとつの選び方にも人柄がにじみます。お店を持つ前に出店していたイベントや、開業後にまちのお店に顔を出したりする中で繋がった人々にもそんな人となりが伝わっているからか、「お客さんやまちの人などたくさんの人に支えられている」ろいう温かい輪ができています。

例えば内装の壁一つとっても、お客さんたちが塗装作業を手伝ってくれたという面、スタッフの方の友人のアーティストさんのイラストが描かれた面、お店の周年の時に関わりある人やお客さんたちがひとりひとり手形を押した面——。店内に飾られたドライフラワーのアートは、前職の時に同じ施設内で仕事をしていて繋がったフラワーアーティストさんが手がけたもの。メニューの挿絵はトランさんの知り合いのアーティストさんによるもの。自然と「みんな」のお店になっていたのです。

「支えてくれるお客様と、応援してくれる周りの人たちがいるから頑張ろうと思えて、長く続けてこられました」と、トランさん。

そんなお世話になった人々がいるまちに、今度はお店を通して何かを与えられる存在に。

「辻堂って、ある意味発展途上なまちで、お店を通して一緒にまちをつくっていけるのが楽しいなと思っているんです。美味しいお店は多いけど、都内にあるようなかっこいいお店は少ないから、普段この辺でしか飲まない若者たちがいざ雰囲気があるかっこいいお店に入ると、緊張してしまったり振る舞い方がわからなかったり。だから、このまちにいる若い世代の人たちが、地元でもそういう雰囲気を体験できて、例えばこんな楽しみ方もあるんだよというのを提案してあげられるようなお店であれたらいいなと思っています。特に男の子は、女の子と都内のバーとか行くかもしれないから（笑）そんな時にかっこつけてもらえたら最高ですね」


人の人生の一部に

今回「Ants. Meals&Coffee Bar」で募集しているのは、冒頭にもある通り「サービスマン」。
仕事内容は、接客、バリスタ・バーテンダーの業務と、調理補助など。

採用の際に重視していることは、「プライベートでも一緒に遊びに行けること」「よく食べる・よく飲む・人が好き・とにかくチャレンジャー・特技あります・すべらない話あります・こだわり強め・人の人生の一部になりたい」が、4個以上当てはまること。どれも、お客さんを楽しませるために必要なことなのです。

「うちはお客さんとの繋がりが濃くて、一緒にキャンプやサバゲ―など遊びに行くことも多いので、そういうのもまるごと楽しめる人だと良いですね。プライベートでも遊びに行きたいなと思うのは、その人に人間的な魅力があるからだと思うんです。そういう人は、普段の仕事をする中でもお客さんにファンになってもらえる」

まずは接客や基礎からはじめ、働きながら学んでいくこともできるので、未経験で頑張っていきたいという方、開業を目指しバリスタ、バーテンダー、料理人すべての業務を経験をしたいという方にもおすすめです。

「コーヒーやお酒の知識も、料理もお客さまを楽しませるツールに他ならない。そういったツールを使ってお客さまにほんの少しでも幸せになっていただくことが一番の目的なので、経験に関わらず、誰かを少しでも幸せにすることに一生懸命になれる方と働きたいです」

将来的に店舗を増やすことも計画中なので、希望があれば経験も踏まえていずれ店長としてお店を任せることも考えているのだとか。現場での業務のみならず、経営に関する部分、お店の立ち上げなどにも関わることができます。

プライベートでも一緒に楽しく過ごせるような仲間やお客さんに囲まれ、サービスマンとして人の人生の一部になれるような経験を積みたいという方には、働くことで大きな学びが得られる職場となるのではないでしょうか。働いてみたいと思った方は、ぜひ一度お店を訪れて、最高のサービスを味わってみてください。