地域の電気インフラを支える！後上電設

約80年近く続くまちの電設屋さんが由比ヶ浜通りにあります。近隣の小学校や、夏の海の家、近所の方々の生活に欠かせない電気インフラを支えている後上電設さん。今回、インタビューをする上で後上さん知ってますか？とエンジョイワークスで働くママさんに聞いたところ「知ってますよ！」とみなさんから返答が。

ご自身も地域活動をされていることもあり、知名度もバツグン。そんな地元に根ざした後上電設の代表、後上哲也さんに今回はお話を伺ってきました。

――電設屋として、鎌倉で何年くらいになりますか？

うちの家系は、以前は埼玉の方に住んでいたんですけど、私の祖父が20歳の時に鎌倉に来て、ポンプ屋で働き始めました。そのポンプ屋が元々は水道と電気も事業としておこなっていたのですが、会社が解散する時に当時の社長に「お前はじゃあ電気屋やれ」と言われて、電気だけになって今に至るという形です。後上電設としては鎌倉の長谷で始めてもう80年ぐらいになりますね。

――今は哲也さんが引き継いでいらっしゃるのですね！社長になったのはいつからですか？

4年くらい前ですね。父がまだ健在なので、会長という形で残ってもらって、私が代表になりました。

――今、従業員さんは何名いらっしゃいますか？

会社としては私と父と姉が事務をやってまして、あと従業員4名（うち1名嘱託） 。私が現場出ることが少なくなってきているので、基本的には社員は現場で、私がサポートするという形ですかね。

――実際の現場は、この近辺（鎌倉）周辺が多いですか？

取引先がやっぱり鎌倉の業者が多いので、鎌倉と逗子から藤沢が多くて、場合によって東京や横浜の時もあります。主に鎌倉周辺地域の電気工事になります。

――地元の小学校や海の家の電気も「後上電設さんが支えている」と地元の方から聞きました！地域の様々な場所の電気インフラを支えていらっしゃるのですね。

はい、公共工事もやっています。季節物ですが、海の家の電気供給する工事も担っていて、今後、花火大会がやれるようになれば更に盛り上がってくると思います。地域活動としては、この長谷の通りの商店街の青年部、消防団に加わっています。また、観音大通り商店会の役員もやっています。

――消防団や商店街の活動を通じて地元の繋がりが更に深まりそうですね！

地元の方と面識ができるので年齢問わず挨拶できる関係が築けて、それはまちにとっても凄く良いことだと思いますね。これから移住してくる方も参加できますよ！

――いま、後上電設さんではどんな方々が働かれていらっしゃるのですか？

従業員は40代と50代で、そのうちのひとりはもう25年も務めていただています。会社のやり方が分かっているのは、そういう人は貴重ですよね。

――今後、どういう方に働いてほしいですか？

元気で明るい人、この仕事は職人系ですから外で働きたい人！できればインドアじゃなくてアウトドアが好きな人。あとは、手に職をつけるという意味もありますし、物を作るのが好きな方に働いてほしいですかね。

建築業自体、人が減ってきています。うちは電気工事の組合にも入っていますが、後継者は年々減っていっている、という現状があります。跡継ぎがいない人は結構多くて、もう自分の代で辞めちゃうとか。みなさん年配なんでね、続けられないという方がやっぱり多くなっています。それは電気に限らず、水道屋さんとか左官屋さんとか、畳屋さんとか息子はいるけど、跡を継いでいないですね。

そういう意味では 職人の数が減ってしまうと、職人一人当たりへの需要増えるので、逆にチャンスじゃないですか。 やっぱりどんどん入れ替えてかないと。20代30代とそういう若い人たちが入っていかないと活性化していかないので、若い人にはどんどん来ていただきたいです。

――経験はある方のほうが良いですか？
全然違う職種から来たりもするので、大体なんでも受け入れています。 未経験の人も仕事をしながら覚えていってもらえばいいだけですから。基本的には普通免許ぐらいあればOK。電気工事技師は働きながら資格を取っていただいてもいいです。取得するためのサポートもしていきます。

――後上さん自身はどういったところにこの仕事の魅力を感じますか？

設計して施工をすることもあるので、思い描いた通りのものができれば、「よくできたな！」っていう喜びや達成感があります。作る過程の中で難門はどうしても出てくる。それをクリアできた時がまた、嬉しいんですよね。今日はビールがうまいな！そういう気分になります。

コンセント1個を取り替えるだけの作業もあるんですけど、大きい事業だと変電所を入れ替えるというような工事もあり、うまくいった時は嬉しいです。

――個人のお宅でも受注を受けているんですか？

「コンセントが焼けてしまっているから見てくれない？」とか電話がかかってきたりするんですけど、そういう個人のお客さんにももちろん対応します。そういう電気屋さんがいないと、地域の人たちも困るでしょう。やっぱり、電気って自分で何とかしようとすると怖いじゃないですか。困っている人を助けてあげるというか、私たちが持っている技術でそういうことをしていくべきだろうな、と思っています。 じわじわと、地元に愛されていければいいですよね。

――この通りを後上さんが歩いてるだけで、色んな人に声をかけてもらっていますよね。

そうやって挨拶しあって仕事ができるってのはいいことですよ。

――会社として、今後の目標はありますか？

現状維持でもいいんですけど、やっぱり会社が活性化していけるようにしたい。地域の貢献もそうだし、鎌倉の自分が育ったまちの仕事を継続してやっていくっていうのは、やっぱりいちばんの目標ですね。公共工事もそうですし、この育った環境への 恩返しかな。