一日の終わりにハハハと笑いあえる酒場
テンスケ/鎌倉テンスケ株式会社(鎌倉ハイボール)
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「働き方」記事
そのママは、かつて眩い光のもと「大階段」で踊っていた。
今は、その舞台を小町通りから少し入った通称裏小町の一角、
「テンスケ」という名の立ち呑み屋に変え、踊り続けている。
ママの正体は、テンスケ店主 セイドウマリコさん。
店を訪れる多くのお客さんが、マリコさんとの会話を楽しみにする店の元気印だ。
帰り路、今日1日の終わりにふらりと訪れると、
扉の向こうから「ウハハハ」と明るい笑い声が聞こえてくる。
マリコさんをはじめ、テンスケに集うひと達と話をしていると、なぜだか力がもらえていつの間にか笑い合える。 不思議な魅力をもった酒場である。
今回は、マリコさんと共に厨房の日替わりマスター、ママとして店を盛り上げていく方と、一昨年から発売している自社開発商品、「鎌倉ハイボール」を多くの方へ伝えていく事業の仲間を探している。
元〇〇〇ジェンヌ、現鎌倉の立ち呑み屋のママ マリコさんに、店への想いと、これからの展望について聞いた。
人生で1度目の「ビビビッ」
わたしもあの舞台に立つ のだな
ビビビッとは天からの直感。まりこさんの人生初のビビビッは、小学6年生の夏休み、ブラウン管の中で輝く宝塚歌劇団の舞台を見た時だ。例によって、雷に打たれたような衝撃を受けた、と同時に私もあそこに立つのだなと思ったという。
そこからどの様にして、マリコさんは憧れだった宝塚の舞台に立つことになったのだろう。
「テレビで、はじめて宝塚歌劇団を見たときは、初恋みたいなものでした。その出会いが、最初であまりに衝撃的だったので、自分は宝塚の舞台に立つのだわと思い込んでしまった訳です。あの舞台で歌い踊ることが出来たら、どんなに愉しいのだろうと想いにふけっていました。その後、中学に入ると声楽部に在籍し、地元駅前のバレエ教室に通い、歌劇団の舞台を目指して宝塚音楽学校を高校1年で初受験。初めての受験で合格になり、親元を離れて、関西での寮生活がスタートすることになりました。学校時代を含め、宝塚歌劇団には9年間在籍しました」
その歌劇団では、稽古と舞台漬けの日々を送り、退団後、マリコさんは様々な仕事を通じて、自身の見聞を広めることになる。それは、マリコさんにとって、これまで自身がいた世界とは全く異なる世の中を知る時間でもあった。
大きな転機のひとつになったのは番組制作会社の在籍時に、野毛に通う中で出会った大道芝居だった。
「今まで芝居をやったことがない、いわゆる素人の人たちの芝居は、予定調和ではない生身の人間の愛おしい部分が存分に出てしまう舞台でした。知り合いを見て、投げ銭する観客の盛り上がりも素直でとても面白く、芝居の新たな視点や魅力を知るきっかけになりました」
さまざまな仕事をしてきたものの、この分野では経験のない素人だったマリコさんが、経験のない素人から改めて芝居の面白さを実感する。それは、宝塚歌劇団退団後にたくさんの人と関わり、仕事の取組み方や意識等々を学び広い視野で ’’モノ’’ ’’コト’’ を捉えることが出来るようになったタイミングで出会ったからこその発見なのだろう。
マリコさんは、この大道芝居を通して、普通に暮らしている中で出会った ’’ヒトとヒト’’ とが普通ではない関わり方をすることで生まれる’’世界’’が生む面白さを知ることにもなる。それは後にテンスケという店が生まれるきっかけにもなっている。
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目の前にいる人と笑いあえたら
では、マリコさんは、なぜ鎌倉で立ち呑み屋を開くことになったのだろう。
「私が初めて天昇さん(鎌倉駅前丸七商店街にある、地元民に人気の立ち呑み屋)を訪れた際に、ドキドキしながら中を伺っているとカウンターにいた男性が『ここ、空いているよ』と気さくに声を掛けてくれました。『ありがとうございます』という間もなく、その隣にいた男性もすっと場所を作ってくれて、初めて来ましたというと、色々教えてくださいました。気がつくとすっかり打ち解けていました、たまたま横にいた知らない人と簡単に話すことにもなる。はじめは緊張するけれど、打ち解けてみれば俄然楽しい。仕事や学校、先輩後輩も一切関係ない。その様な一期一会の出会い、対等でフランクな空間は、すごく面白いということを伝えたいなと思い、立ち呑み屋テンスケを始めました。その想いは今でも持ち続けていますね」
想い描いた空間創りを叶えていくために力を注ぐ。それは、宝塚歌劇団の舞台に立った時も、まちの立ち呑み屋を開く時も同じだった。マリコさんの想いが非常に強かったからこそ出来たことかもしれない。願いを口にすると、その願いは叶うとはよく耳にするが、ここまで具現化している人を目にすることは少ない。
「その場で知り合った人同士が一緒に笑い合って居心地が良くなるような場をつくりたいです。お客様同士だけでなく、カウンター内の厨房という舞台に立つ側とお客様との間にも関係性が生まれます。一期一会の目の前の人と関わることを面白がろうという想いは、色んなことが生まれる第一歩。大切にしてもらえたらいいなと考えています」
人生で2度目の「ビビビッ」
鎌倉ハイボールで多くの人に笑顔を運ぶ
人気店となったテンスケにも、その後、はじめた2軒目のアコーディオンテンスケにおいてもコロナ禍は大きく影を落としていた。そのような時にマリコさんに人生で2度目の「ビビビッ」の時がやってくる。お客さんがなかなか外に出ることが出来ない状況が続いていたが、みなさんに愛され、育てられたテンスケの鎌倉ハイボールを、家でもどこでも楽しんでもらえるようにすれば良いのでは。
ボトリング商品として届けることで、テンスケを忘れずにいてくれる。店に来ることが出来るようになった際には、お土産にもしてもらえるはずだ。そしてこのハイボールを手にした先でも、店と同じように笑顔を共有する思い出をつくることができるのではないかと考えた。
しかし、このビビビッが降りてきた時には、マリコさんにボトリングの知見は一切なく、ゼロからのスタートであった。
そこからが、マリコさんの真骨頂。周りの人の縁やクラウドファンディングのサポートにも恵まれ、遂にテンスケのハイボールは、「鎌倉ハイボール」として瓶詰め商品化が実現した。
「ハイボールのボトリングは私が発案、企画はしたわけですが、右も左も何もわからない素人ですよ。お客さまが優秀な方々ばかりだったから相談してみると、ご縁がご縁を生んで少しずつ、前に進んでいく。本当に周りのみなさんの優しさにサポートいただき、ありがたくて仕方がないわけです。 だから、感謝の気持ちを何かの形で、鎌倉にお返しできないかは常に考えていますよ」
2022年には、鎌倉市のふるさと納税返礼品としても選ばれ、多くの方に愛される商品として知られていっている。
「テンスケにいる時はただのお酒好きの呑み助だけど、実はすごいクリエーターであったり、美術家や船長だったり、若い方もスポーツで活躍している人や、作曲家や文章を書いている人もいます。まだまだなにか隠していそうだなという面白そうな人もいっぱいいます。そういった才能のある人や面白そうな人同士をつなぎ合わせるような事が出来て、隠れた才能を持っている人も、テンスケを使って少しずつでも出していってもらえたらと考えています。とにかく、遊び心を大切にしたいですね。様々な才能や特徴を持つ方が自然と集まり、遊びながら、色々な才能や特徴の交換が出来て、それを肴に目の前に集う人たちと大笑いしてお酒を呑み交わすことが出来ると、きっと楽しいですよね」
マリコさんは、この想いもきっと具現化していくのだろう。その時に近くで一緒に面白がることが出来て、且つ自分の新しい色を見つけたい人にとって、ここ鎌倉裏小町でテンスケメンバーとして働く時間は、この後の人生においても貴重な経験になるかもしれない。
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取材・執筆 :木村 歩
募集要項
- 職種 :
- ①立ち呑み屋運営従事者 ②鎌倉ハイボール販売管理者
- 仕事内容 :
- ①立ち呑み屋の日替わり店主厨房内全般 ②鎌倉ハイボール販売事業秘書、納品営業、企画広報、運営全般、 商流の分かる方、バイヤー等経験者尚加。
- 勤務地 :
- ①鎌倉市小町(駅から徒歩3~4分)②鎌倉市雪ノ下(駅から徒歩7~
- 勤務時間 :
- ①18時前後~1日 5時間前後 週1~2日程度 ②午前10時~
- 休暇・休日 :
- ①現在月曜定休、 週5~6日休シフト制 ② 週2~3日(基本土日
- 給与・待遇 :
- ①時給1,200~1,500円(3日ほど体験あり1050円×3h/1日~) ②契約制 条件に寄り応相談。試用期間2~3か月(その
ー - 交通費 :
- 1日あたり800円まで。近隣にお住まいの方優遇。
- 有給休暇 :
- 相談の上
- 会社名・店名 :
- テンスケ/鎌倉テンスケ株式会社(鎌倉ハイボール)
- 備考 :
- ①基本終電で帰れる近隣の方 ②運転免許あれば尚加。とり急ぎの納品が可能な鎌倉近隣にお住まいの方 、まずはご相談ください。
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