BLOG「葉山H邸「スペーシーな家」THE SKELETON HOUSE Casual」
第1回 エンジョイワークス・スタッフが自分の家を建てます。
エンジョイワークス不動産部のスタッフであるHが、この度、ついに自分の家を建てることになりました。
不動産のプロとして無数の物件を見てきたHが、どんな土地を選び、どんな家をつくるのか?
弊社メンバーながら興味津々です。
しかもHには、不動産のプロという顔だけでなく、クリエイターとしての顔もあるんです。音楽やアートに関する造詣が深く、服飾デザイナーをしていたこともあります。普段のファッションも実に個性的。巷に売られている品でもちょっと一手間加えて、彼独自のスタイルへと変化させてしまいます。例えば麦わら帽子をメタリックにしたり、赤のスニーカーに金のアクセントを入れたり。それをまた難なく着こなしてしまうキャラクターの持ち主。
そしてHの奥様もまたクリエイター、ご職業はフォトグラファーです。透明感のある佇まいでありながら、原色の洋服もサラリと着こなし、主張しないのに忘れ得ぬ存在感を残す特別な感じのする人。
この個性的な夫妻に、2人の息子たちを加えた4人家族が住むことになるH邸。まずはその土地から見てみましょう!
Hが選んだのは、葉山町の下山口というエリアにある土地です。メインの道路から細道をけっこうグルグル登って行った場所にあるこの土地。
山の中に突如として開ける、隠れスポット的な分譲地の、いちばん突端にある区画です。
現在も葉山の上山口に住んでいるH一家。葉山の中でもとりわけ自然豊かなこの辺りは気に入っていましたが、特に「このエリアで!」と固く決めて探していたわけではないようです。
「奥さんがね、ダメなんですよね、潮風が。ほら、なんか塩分で溶けちゃいそうな感じするでしょ。だから山がいいっていうのは言ってたんですよね」
お向かいさんには、まるで洋書から抜け出してきたような可愛い平屋が建っています。その北側に広がる抜け感がものすごく気持ちのいいこの土地には、眺望の良さを実感してもらえるように、販売中ヤグラが組んでありました。
Hはある日、この土地に自分のお客様をご案内しました。実は今、同じ下山口でスケルトンハウスを建築中のKBご夫妻です。(その様子はブログ「クリエイターズルーム in THE SKELETON HOUSE」にてレポート中!)
KBご夫妻は、何度かHと葉山を回るうちに下山口ののんびり感が気に入り、土地の候補もだいぶ絞られてきた頃でした。
一緒にこの土地を訪れたその日、眺望を確認するためにKBご夫妻がヤグラに登りました。高所がやや苦手なHは、ヤグラの下で待つことにしました。
その時です。
突然、KBさんが
「ああッ!」
と叫び声を上げました。
ヤバイッ、落ちるのか?!
焦ったHは慌ててヤグラを押さえました。
「大丈夫ですかっ?」
見上げたHに、KBさんが言いました。
「見えますよ、富士山」
葉山の青い海、そしてその向こうには富士山。
山の細道をくねくねと通り抜けた先には、まるで天空にいるような、想像以上の素晴らしい見晴らしが待っていたのです。
ヤグラを降りてきたKBさんは、Hにこう言いました。
「Hさん、ここの眺望は素晴らしいし、良い土地だと思うけど、都心から移り住む僕らには、途中の道の不便さなどを考えると少しハードルが高いと思います。僕らは、もう一つ紹介していただいた、広い道路に近い方の土地にしようと思います」
それを聞いて、Hはこう言いました。
「そうですか。それじゃあ、僕がこの土地を買おうかと思います。ご近所になりますね」
それから程なく、この土地のことを聞いたHの奥さまは、ご自分ですぐに見に行き「ここなら良い」と即決。
かくして偶然か、はたまた運命の導きか、いつの間にかHファミリーはこの土地に家を建てることになったのです。
建物は、弊社が提案しているスケルトンハウスの「カジュアル」タイプに決めました。横須賀市のM邸に続き、第2棟目となるカジュアルです。
弊社の誰もが
「きっと、見たこともない家になる…」
と予感しました。
そんなH邸の家づくりを追います!
第2回 いつもと違うスケルトンハウス
H邸、基礎と本人です。
葉山町下山口の山の上、Hが購入した隠れスポットのような分譲地の突端のこの区画からは、2階の高さから生い茂る緑越しに、海と江ノ島、富士山が見えます。
葉山の魅力である山の美しさも、海の美しさも享受しつつ、ちょっと下界から離れた「天空感」が気持ちいい。
弊社のスタッフであり、不動産のプロとして無数の物件を見てきたHが選んだのは、そんな「通」な土地でした。
ほぼ正方形に近いフラットな敷地に、30坪のスケルトンハウス・カジュアルを建てます。家の配置は、敷地のど真ん中ではなく、緑越しの海が楽しめるように西側に寄せました。
H邸、無事に上棟の日を迎えています。
上棟式の日、この家の工事の安全と、末長い安泰を祈念して、神様に酒と米と塩を供えます。
Hが持つと、日本酒の一升瓶がアラジンのランプのように見えるのはなぜでしょうか。
最も眺望の良い2階の西側に、家族や友人たちが集まるリビングを持ってくる予定。お向かいさんが平屋なのがラッキーですね。不動産のバリューというものは、単純に住所や広さや地形や道路付けだけでは決まらないなぁとつくづく思います。一般的な基準からははみ出していたとしても、視点を変えることでそれが他にはない魅力になることもあります。Hの土地も、途中の道路が入り組んでいたり、敷地のすぐ脇にジャングルみたいに木が茂っていたり、つまらないと思われがちな分譲地であったりと、人によっては選ばないかもしれません。
でもH一家にとっては、道が細いのは葉山に数年暮らして慣れているし、ジャングルみたいな木も整形地の人工的な感じを良い具合に中和してくれるし、分譲地だから前面道路やライフラインはかえって安心だしで良いことづくめ。おまけに2階からは海・江ノ島・富士山ビューという、湘南暮らしのザ・ベストがちゃっかり得られるのです。
不動産探しに必要なもの、その一つは「柔軟性」かもしれません。
H邸のスケルトン(躯体)部分があらかた出来上がり、「箱」感が出てきました。いつもであれば「2階部分は柱も間仕切りもない大空間が広がっています!」となるわけですが、そこはH邸、なにやら細い材がやたらに多いではありませんか。これは一体…?
謎めいたH邸の施工は続きます!
第3回 ブルー&シルバー
桜の花びらが舞い散る中、葉山町下山口の山の上では、弊社スタッフHのマイホームであるスケルトンハウス・カジュアルの建設が進んでいます。
スケルトンハウス・カジュアルは、「頑強な躯体(スケルトン)」×「自由な内装(インフィル)」というスケルトンハウスのコンセプトはそのままに、家づくりをよりカジュアルに楽しんでいただきたいという思いから、用いる建材の種類や設備をアレンジしてコストを抑えたタイプ。木の外観でおなじみのスタンダードなスケルトンハウスと比べていくつか異なる特徴があり、その一つが外壁です。カジュアルタイプでは、木ではなく、ガルバリウム鋼板という素材を用いています。
*スケルトンハウス・カジュアルの詳細を見る
ガルバリウム鋼板自体は、現代の住宅ではよく用いられる丈夫で扱いやすい素材なのですが、スケルトンハウス・カジュアルでは、その中でも「波板(なみいた)」という種類を使用しています。巷でよく見かけるものと比べると、ウェーブが大きくキュートな印象に仕上がります。
色は白やチャコールグレーなどを基本に何色かあるのですが、Hが選んだのは、このブルー!
「いわゆる『トタンの青』がいいなと。で、そこにシルバーのサッシを合わせたいんですよ。”スペーシー”にね!」
”スペーシー(=宇宙的)”というこのキーワード。
H邸を担当している弊社設計士いわく
「打ち合わせの中でとにかく何回も出てくるんですよ、このワードが。あまり住宅のフィールドでは聞かない言葉なんですけどね」
H邸のコンセプトは、どうやら「スペーシー」のようです。どんな家になるのか見当もつきません!
一方、バルコニー部分は木で作ります。
このガルバリウム鋼板と木のコンビネーションが、またいい感じなんです。
外壁の完成が楽しみ!
そして、家の内部では断熱処理が施されています。
カジュアルタイプといえども、断熱はしっかり行っていますのでご安心を。
さて、2階のあの細い材がたくさんあった場所には、さらに手前に材が足されて、なにやら展示場のブースっぽくなりつつあります。2階のほぼ真ん中にHは何を作るつもりなのか?
乞うご期待!
第4回 2階に玄関?!
豊かな緑に包まれた葉山町下山口の山の上、清々しい青空をバックに、「トタンブルー」の外壁が映えるスケルトンハウス・カジュアルH邸です。
弊社スタッフであるHのマイホーム。
今日は本人が撮影した写真でお届けします。
外壁のガルバリウム鋼板もだいぶ張れてきて、バルコニーの木部とのバランスもいい感じですね!
もう一つ広めのバルコニーが、西側の眺望の良い場所に設置される予定です。
こちらはキッチン。
うーん、どこがどういうキッチンになるのか、現段階ではまだ謎です!
謎多きH邸。
こちらは一家のワークスペースになるそうですよ。
座った時の目線の位置に開けた低めの窓が、おこもり感があって落ち着きますね。
こちらは2階のリビングの西の角に開けた大きめの窓。
この家で一番の良い眺めが得られます。
家のすぐ下から広がる緑と遠くの山が繋がって、その先には海と江ノ島。
絵になる角度ですね~!
そして、その窓の隣には、材で囲まれたスペースが。
実はこれは「玄関」なんです。
H邸は2階に玄関を作ります!
いやまあ、一般的には傾斜地に沿って杭などを打って建てるタイプの家とか、1階が駐車場や店舗になっている家では、2階が玄関てこともあるでしょう。
でもH邸はどちらにも当てはまりません。
前面道路から敷地に入ってきて、そのまま1階に玄関ドア…それが普通なのでは?
「僕は、世の中にすでにあるものを、もう一度作るということの意味がよく分からないんですよ。まだないから作る。それが僕にとっての創作の意味です」
そういえばそんなことを、何かの折にHが言っていたのを思い出しました。
わざわざ階段を上って2階に玄関を設けることの意味とは?
その答えは次回に続きます!
第5回 秘密の小部屋
弊社不動産スタッフであるHが、葉山町下山口の山の上に、マイホームを建築しています。
弊社が提案している新築住宅スケルトンハウスの、カジュアルタイプで施工中。カジュアルでは「頑強な躯体(スケルトン)」×「自由な内装(インフィル)」の特性はそのままに、より気軽に家づくりを楽しめるように建材や設備をアレンジしてあります。
H邸、室内も下地ボードを張り終わり、だんだんと形が見えてきました。
ところで前回、2階に玄関設置という想像だにしていなかった展開になったわけですが、その理由は一体何なのでしょうか?
ここは2階のリビングです。
海に向かって大きな窓を設けたことで、気持ちの良い抜け感が出て、自然とそちらに目が行きますね。
そして写真の左側に玄関ドアがあり、材で囲まれた部分は玄関ホールになる予定。
どうして2階に玄関を作りたかったのか、Hに尋ねてみると…
「いや、2階に玄関を作りたかったわけじゃないんですよ」
え?!
「と言うかね、ほら、2階からの眺望がものすごく気持ちいいでしょ、この家。だから2階をリビングにしたいなというのがまずあって。その次に、外から人が来た時に、その気持ちいいリビングに直で入って来る感じっていうのがやりたくて。そしたら結果的に玄関が2階になったんですよ」
結果的に2階に玄関!
その柔軟性に驚きます!
そのリビングの奥には例の謎のブース。
壁の下地が貼られたことでますますブース感がUPしてきました。
こちらは床、と思いきや「壁」!
木のタイルを貼っています。
そして2階のいちばん奥には、謎の小部屋がもう一つ。
キッチンからも隔てられているのでパントリーでもないし、単なる物置にしてはなぜか水道と排水の設備も。
相変わらず謎の多いH邸。
この日、窓からは海に浮かぶ江ノ島が煙るように見えました。
もうすぐ、世界がトワイライトの中に溶けていく時間です。
第6回 宇宙船の内部
*6/18,19 完成内覧会開催!詳細はこちら
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快晴の5月、ボトルブラッシュの真っ赤な花の向こうに見える青い波板。
ちょっと日本離れした光景にも見えますが、ここは葉山町下山口。
山の上にある、天空から見渡すような海・江ノ島・富士山ビューとワイルドな緑が美しいこの土地に、弊社の不動産スタッフHが家族4人で暮らすスケルトンハウス・カジュアルを建築中です。
*スケルトンハウス・カジュアルとは?
室内の施工もだいぶ進んできました。
いわゆる造作部分もあらかたできつつあり、家の姿がかなり見えてきました。
こちらは前回もご紹介した、2階のいちばん奥の秘密の小部屋です。
シンクをはめ込む洗面台のようなものが設置されましたね。
実はこの部屋は、プロのフォトグラファーである奥さまのための暗室なんです。ここで写真の現像などを行うわけですね。このサイズ感が集中できそう!
リビングの中央にあった謎のブースには壁と棚が設置されています!
家の中に、入れ子になった小屋がある感じ。コックピットのようにも見えます。
ここは実は「本小屋」。
本好きH一家の、「本に埋もれるように囲まれながら寝そべって本が読みたい、しかもリビングで」という夢を叶える小屋です。少し高く作った床にはクッションをたくさん並べてゴロゴロしながら本を読みたいそう。
「たぶん取り合いになりますね」とH。
この本小屋をぐるりと囲んで渦を巻くように、向かって左手奥にキッチン、右手奥には作り付けのデスクのあるHのワークスペースとトイレ、そしてその奥に奥さまの暗室が続きます。
そして玄関とリビングのある2階から回り階段を降りて1階へ。
まるで宇宙船の内部へ潜入していく感じです!
その1階には、お風呂や洗面所などの水回りとともに、家族のための寝室がなんと4ヶ所。
正確には「寝室」と言うよりも「寝場所」と言った方が良いかもしれません。
2人の子ども達それぞれのスペースに加えて、ウォークインクローゼットを両側から挟むように、Hの寝場所と奥さまの寝場所。ドアで区切った個室ではなく、大きな一つの空間の中にセパレートされた2つの空間があるのです。
担当の弊社設計士によると
「この家は、空間が全部つながっているんです。まるでアリの巣や迷路みたいに。目的ごとにスペースはあるんだけども、いわゆる普通の”部屋”というきっちりした区切り方ではなくて、なんとなく全部がゆるやかにつながっているんですよ。こんな間取りは今まで見たことがないし、もちろん僕も作るのは初めてです」
まだ世の中にないものを作ることに創作の意味がある、と言っていたHの言葉通りの家になりつつあります。
家は、その人の身体感覚や意識の延長でもあるような気がします。
Hの中には、いろんなものが混沌と優しく溶け合う、シームレスな世界が広がっているのかもしれません。
仕上げが楽しみですね!
第7回 出来てきたスペーシーハウス
*6/18,19(土日)H邸の完成内覧会決定!詳細はこちら
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弊社スタッフHが「スペーシーな家」をコンセプトに葉山町下山口で建てている自邸、かなり出来上がりに近づきつつあります!
建物の外側にデッキや階段も設置され、囲っていた足場が外されました。
H邸の玄関は2階なのですが、そこへつながる階段を見てください!
超メタルなシルバー!
青いガルバリウム鋼板、そして木のデッキとの相性もなかなかにGOODです。
ますます「スペーシー感」出てきました。
玄関扉から室内に入ると、大きな格子の内窓が正面と右側に。
足を踏み入れた瞬間の抜け感、気持ち良さを大事にしたかったというHの思惑、成功したようですね!
左上の天井近くに開けた窓からの光と影も良い雰囲気出してます。
そしてこちらは、例の「本小屋」。
壁と棚が設置されて、本格的に小屋っぽくなりました!
小屋の内部にはマットレスを敷いてクッションをたくさん並べる予定だそうです。「舞台みたいだからビロードっぽいカーテン付けたら?っていう意見もあるんですよ」とH。確かに、ここで寄席なども似合いそうです!
本小屋の右隣にはキッチンがあります。
外の緑を引き込むようなモスグリーン、そして茶色の目地のアイボリータイルが好相性ですね。と言いつつ、カウンター上の天板は水色を差しているあたりが、新たな展開です。まだ作りかけのこのキッチン、どのようになっていくのでしょうか。
そして、一番奥に配置した奥さま用の暗室にも、黒の壁紙が貼られました。窓のシャッターを下ろせば室内は真っ暗になります。
「この部屋は、スペーシーっていうよりもギャラクシーって感じになりましたね」とH夫妻。
さて、室内の印象を左右する大切な仕上げ作業の一つが、壁の塗装です。
面積が大きいだけに、ここをどんな質感や色にするかで、家の個性が大きく変わってきます。
Hはこの塗装を、自分と奥さまと、ご近所の友達と一緒にDIYすることにしました。ただし、色やテクスチャーにはこだわって、鎌倉のプロペインター「COAT」さんに色を相談し、塗り方を指導に来ていただくことにしました。
次回はそのユニークな塗装の現場をお届けします!
第8回 【最終回】全部で何色?
完成後の様子をプロカメラマンの美しい写真でご覧ください。(Photo by 東涌宏和)
*WORKS 12「スペーシーな家」/エンジョイワークス一級建築士事務所 スケルトンハウス事例
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梅雨の合間の6月のある日のこと、海と江ノ島、富士山を見渡す葉山の小高い丘の上に建築中のH邸では、施主であるH夫妻とその仲間たちによって壁の塗装が行われることになりました。
実はかつて塗装の仕事をしていた経験もある多彩なH、塗りのテクニックはプロなんです。しかし、今回は一般的な塗装ではないもっとニュアンスのある、いわば絵画に近いような塗装をしたくて、鎌倉の「COAT」さんに色選びと塗り方指導をお願いしました。
「COAT」さんは東京や湘南を中心とした各地の商業施設や住宅で、色が空間にもたらす魅力をオリジナルの調色と特別な塗り方のテクニックで提案しているペイントのプロ集団。今回はカラープランナーである小林明子さんが、葉山のH邸にやって来ました。
H夫妻に、葉山のご近所友達数名を加えたメンバーで午前中から作業開始!ひとしきりマスキングを施した後、いよいよ塗りに入ります。
まずは小林さんがお手本を。
「何が正解っていうのは無いんですよ。こうやって、刷毛をいろんな方向に動かしていくんです。ペンキの筋や溜まっているところを周りに広げていくような感じで。1度目はラフで構いませんから、まずは刷毛と仲良くなるつもりで楽しくやってみてください」
小林さんが提案する塗り方に、Hも興味津々の様子。
「こういう塗り方は初めてですねぇ!」
そうして2階のリビングから奥のワークスペース、トイレにかけての壁の塗装が始まりました。
ペンキは水性で、かつ砂のような細かい粒が入っている質感の出るタイプのペールグリーン。そしてパール入りで光るタイプのグレイッシュなペールグリーンという2色のグリーンに加え、フランスの有名なタバコ「ゴロワーズ」のパッケージから名前の付いたHのお気に入り「ゴロワーズブルー」の濃淡2色、さらにそこにゴールドのアクセントも入れるそうです!
多色展開の壁!
午前中でなんとか1度塗りの大半を終え、みんなでランチタイム。もちろん下山口と言えばこちらの「山海亭」です。昭和でメロウな雰囲気と、盛りの良い手作りの家庭の味的メニューにファン多し。
午後には、葉山のまた別のご友人が自前のツナギを着て応援に駆けつけてくださいました!この方も塗装はプロの腕前で、作業の手際が素晴らしく速い!
そんなご友人たちのサポートで、H邸の塗装もなんとか2度塗りまでこの日中に完遂できそうです。こういう時、近所に友達や知り合いがいることの心強さを感じますね。これが「コミュニティ」の力。
ゴールが見えてきた頃、キッチンの壁には目の覚めるようなスカーレットの色が、小林さんと奥さまによって塗られていました。一度塗った後に、スポンジを使って表情を加えていく手法です。奥さま自ら手を真っ赤にしながらポンポンと色を載せていきました。
こうやって自分の手で塗ったキッチンは、いっそう愛着が湧くのではないでしょうか。
もちろん家を全部自分たちで作ることは難しいですが、一部であってもこうやって自分の家に自分で手を入れることって、何にも代えがたい喜びがあるように思います。その時、何か愛情のような温かいものが家に染み込んで、この先ここで紡がれる家族の日々がいっそう幸せなものになるような気がします。
H邸、完成間近!